28 January 2007

フォントのホント

今度のvistaでは葛城になって,下部が匃になって,下部が匂の字は書けなくなるという噂だ。ユニコードで文字コードが同じだから,多分本当だろう。でも,本当はもともとそのほうがよかった。こういうのは,同じ文字コードでフォントの切り替えにしたほうが良い。
例えば,黄と黃,内と內,経と經と经などは,それぞれ別に文字コードがふってあって,どれにするかで言い争いになる。学術文書には『康煕字典』体だといいはる人はフォントの選択で指定すれば良い。だけど,例えば唐代の書物を整理するのに清代の字書にあわせて安心というのも,いささかノーテンキだとド素人は思う。本当は『干禄字書』(の正の)フォントにしたいところだけど,そんなことが出来るわけがない。せめて宋代雕版楷書体フォントが欲しいけれど,まあそれも難しいでしょうな。そもそも唐代の書物を宋代の文字に整理して悦にいるというのも,『康煕字典』体に統一するというのも,五十歩百歩ですしね。

16 January 2007

「きざし」を見る

医学用語として「徴」の字が使われたとか使われなかったとか,何を言っているのかわからなかったろうと思うから,ちょっと一言だけ。

『太素』巻2順養の例の聖人は未病を治すとかいうところの楊上善注に「身病國亂,未有豪微而行道者,古之聖人也。病亂已微而散之者,賢人之道也。病亂已成而後理之者,衆人之失也。理之無益,故以穿井鑄兵無救之失以譬之也。」と言ってます。で,この「豪微」と「已微」は,ひょっとすると「豪徴」と「已徴」の誤りではないかと思うんです。仁和寺原鈔に書かれている文字は『干禄字書』に載っている「微」の通です。で,「徴」の王の部分を草書風に書いたらそんなに違わないんです。現に仁和寺原鈔には絶対に「徴」でないとおかしい箇所にも同じ形を書いています。だから,少なくとも楊上善の医学の中には,わずかに徴(しるし、きざし)が有る,すでにちゃんと徴が有る,病が成ってしまった,という診断の基準は有ると思うんです。「死徴」という表現も有るし,「見微」とあるけれど「見徴」かも知れないという箇所も有る。後にそういう表現はあまり発展しなかったかも知れないけれど,こういうのを医学領域に用例が無いと言うんですか,ということです。

15 January 2007

内経講座の案内

平成19年度日本内経医学会講座案内
日時:日曜日 午後1時~午後5時 全10回
4月15日・5月13日・6月10日・7月8日・9月9日・10月14日・11月11日・12月9日・2月10日・3月9日
場所:東洋鍼灸専門学校第1校舎
定員:各クラス30名
受講費:年会費1万1千円+受講費1万円(10回分)合計21000円  
受講資格
●第1クラス:社会人または学生
●第2クラス:継続受講生・第1クラス修了生
●第3クラス:第1クラス・第2クラス受講生

講義内容
第1クラス 102教室
①医古文講座:荒川 緑 講師 午後1時~3時
実際の文献に当たって、「語法学」を中心に、古典の読み方の基礎を1年間で講義する。テキストは浜口富士雄著『古医書語法の基礎』。
②訓読講座:林 孝信 講師 午後3時~5時
実際の文献に当たって、主として「訓読」の方法を1年間で講義する。テキストは随時配布(無料)。
第2クラス 402教室
①霊枢講義:宮川 浩也 講師  午後1時~3時
3年前からの継続講座で、第1クラス修了生は中途参加になる。講義の始めに朱熹の『論語集注』を読む。
テキストは『現代語訳霊枢』(東洋学術出版社)+配布資料+『論語』。
②素問講義:岩井 祐泉 講師 午後3時~5時
『素問』を、あらゆる知識を使って、読みこなす。テキストは、顧従徳本『素問』+『老子』。
第3クラス 403教室
○刺絡:宮川 浩也 講師 午前10時~12時 
撥打法をもちいた刺絡の講義と実習。
受講資格は第1クラス・第2クラス講座生で、全10回参加できる方。

申し込み締め切り1月31日(水)

受講費振込先
口座番号 00120-8-548449 
加入者名 日本内経医学会

問い合わせ
日本内経医学会事務局
〒333-0802 川口市戸塚東1-1-32(宮川方)
FAX: 048-295-3029
事務局へe-Mail